ベトナム⑤

ベトナム最終日 

 

朝ごはんを食べたら、ロビーに集合。
ズンさんが迎えに来てくれて乗ったバスは他の日本人も乗った大きなバスだった。少人数のバンばかりだからそれはそれで新鮮。
出発してまもなく、ズンさんがソワソワし始める。どうやら昨日頼んだカシューナッツを忘れたらしい。
「大丈夫、大丈夫。弟はイケメンです。同居しています」と繰り返すズンさん。大丈夫か。弟に関しては聞いてないけど大丈夫か。
しばらく走って、渋滞でバスが止まること数回。突然真ん中の扉が開きバイクに乗ったイケメンが袋を突き出し叫ぶ。
なんだこれアグレッシブ過ぎる押し売り…!!と思っていたら、どうやらズンさんの弟。
僕はカシューナッツを忘れましたが、イケメンの弟が届けにくるので大丈夫、と、言いたかったらしい。
ズンさんとキャッキャしながら話していた前方の女子大学生集団は大喜びでした。


ズンさんが必死で取り寄せた皮付きカシューナッツは圧縮された1キロ超の大物。それをいくつか抱え、両親はご満悦でした。
帰って食べたけど美味しかった。


ズンさんは女子大生に「ニホンジンノ カノジョがイマス」と嘘をついていたけど、どうやら昨日の彼女とうまくいったらしい。写真が欲しいとの切望があったためLINEを交換した。
お幸せに。


ガチャガチャして、発展途上のエネルギーと狡さと田舎の素朴さが混在した国。これからどんどん発展して、綺麗で豊かになっていくだろう。
それはきっととてもいいことで、この国の人達も望んでいること。
でも、私は、ゴチャゴチャに絡む汚い電線に囲まれた、水牛とバイクがすれ違うベトナムにまた来たい。